君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
*° prologue
全身を包み込む生暖かい潮風、視界に広がる大きな青、頭上の太陽を反射した眩い光。
大きく息を吸めば、潮の香りが胸いっぱいに広がる。
彼女は、今の俺を見ているだろうか。
出逢ったばかりの、あの頃のどうしようもなく情けない俺を、覚えているだろうか。
ごめん。
今も尚謝る癖は治っていない。
目に閉じて、あの笑顔を。
声を、手のひらの温もりを思い浮かべれば、静かな波の音が頭に響いた。
ありがとう。
・・・愛してる。
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