君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「・・・きぃくん」
「あ・・・おはよう凜。起きんの早いね」
「んー・・・おきちゃった」
「そこ座って待ってて。あと熱計って」
「はぁい」
『凜は風邪引いてるときご飯食べないから!』っていう妃菜の言葉を素直に受けとった俺は、簡単なスープを作っていた。
背後から凜の声がして、振り返ると、何とも可哀想な感じに仕上がっているウサギのぬいぐるみを引きずって立ち尽くす凜がそこに居て。
思わず笑いそうになった。
俺が来ることは昨日のうちに妃菜が知らせていたらしいから、驚いた様子は無かったけど・・・寝起きだからか、熱のせいか、ふわふわしてるなーって思う。
可愛いなぁ・・・って、俺は凜の保護者かな。
「体調は?ご飯食べれる?」
「ふつう・・・あさごはんはまだ早いよ」
「・・・まぁ確かに。もう少し寝てな」
"朝ご飯はまだ早い" って、冷静に返されたんだけど・・・(笑)
差し出された体温計の表示は37.4℃。
平熱は大体36.7℃って聞いてたからまぁ微熱・・・なんだろうけど、元からあまり体力の無い凜にとって、微熱だとかは恐らくそんなに関係ない。
ソファに寝るのがやっとな感じがするけど、絶対に部屋に戻って寝た方が良いと思う。