君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「部屋戻るよ。起きて」
「ん・・・きぃくんもりんの部屋にいてくれる?」
「・・・うん。居るから」
「じゃあもどる・・・」
・・・そんな目で懇願されたら断れない。
もう特にすることもなかったし、凜の部屋に居るのは良いんだけど、さらに何をするんだ状態になるんじゃないだろうか。
ゆっくり起き上がった凜を支えながら部屋まで歩き、ドアを開けると、真っ白な内装が広がった。
なんかもっとこう・・・ピンクとか水色の部屋だと思ってたから驚いた。
「妃菜といっしょの部屋なの。ねるとき以外はいないけど・・・」
「あー・・・そうなんだ。妃菜の部屋ってもっと汚いと思ってた」
「へへ・・・わたしがたまに片付けるから」
「偉い子」
「褒められちゃった」
こっちの部屋の本棚も、妃菜の参考書が大半を占めている。
年度を見る限り、相当前から勉強してるらしい。
夢を追う妃菜を、昂生を、蒼を・・・俺は見習わないといけないのに。
自分が何かになる未来が一切見えない。
そもそも何かにならなくたって、バイトでも稼げることは稼げるのかもしれない。
だけど進学を要されてる俺は、少なからず何かに向かって勉強をすることになることは確実だろうな。
・・・ただ、それが何なのかが分からない。