君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
どんなに大まかでも良い、進路に関わりそうなことで、何か考えているなら聞かせて・・・って言われたときに浮かぶひとつの答え。
「誰かのためになることがしたい」
誰かのために。・・・凜のために。
凜が俺を変えてくれたように、俺も誰かの力になれるなら。
・・・想像したくはないけれど、もし本当に、この先彼女の居ない世界で生きていくとしたならば。
俺は誰かの役に立ちながら生きていたいと思う。
それが叶ったなら、凜が側に居るような気がすると思うから。
思ってはいる・・・だけど。
「・・・でも、俺なんかには無理だと思う」
「そんなことない。きぃくんはわたしを変えてくれたもん。わたしはきぃくんが居なかったら、まだ人が怖くてダメダメだったかもしれないよ」
マシンガン並みに勢いよく言ったあとに「・・・ね?」って妃菜に同意を求めた凜。
その勢いに驚いたのか、あの妃菜でさえしどろもどろな返答。
そして、この無機質な空間とまるで一体化してしまったかのように固まっている昂生。
なんか、少しだけ・・・笑えた。
「きぃくんはダメなんかじゃない」
「・・・うん、分かったから、ありがとう」
その真剣な瞳に捕らえられてしまえば、俺はもう何も出来ない。
凜には、勝てない。
なんとも言えない不思議な空気が漂う中で一言、空間と一体化していた彼が呟いた。
「はは・・・今俺の中で凜ちゃん最強説が生まれた」
・・・どうやら凜は最強らしい。