君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
きみの居ない世界
言いたいことだけを俺にぶつけ、興味も無い医大のパンフレットを突きつけたあと、アイツは帰った。
あの日以来、俺は家から出ていない。
・・・つまり、学校にも行っていない。
蒼や昂生たちから心配の声が届くけど、それを見る気にもなれず、俺は家に閉じこもった。
飯は一日一食、台所を漁り、適当に買い置きしてあったインスタントラーメンを食べる。
テーブルにはアイツが置いて行ったパンフレットが置かれたまま。
・・・俺には何も出来ないんだ。
医者になんかなりたくないと言うだけ言って、そのくせ特に夢は無い。
ただのわがままでしか無いのかもしれない。
______ヴーッ、ヴーッ・・・
テレビも付けない中で時々聞こえるのは、俺のスマホが鳴る音。
・・・今日もまた、凜からの《おはよう》が目に入った。