君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
( 凜 side )
「・・・あっ」
テーブルの上のスマホが光った。
《きぃくん》
ここ最近、全く連絡をくれなかった彼からの着信。
妃菜たちからは、学校に来ていないって聞いていた。
ずっと心配で、だけどわたしに出来ることは何もなくて・・・
朝と夜のあいさつを送り続けるので精一杯だった。
そんな彼からのメール。
何も考えず、勢いのままに画面を開くと、一瞬にして全身の体温が冷めるのが分かった。
《俺はもう、凜には会えない。》
・・・なんで?
どうして?
そんな思いがわたしの頭を埋め尽くす。
静かにスマホを閉じて、電源を落とした。
瞬く間に冷たくなった手が震える。
心臓が、ドキドキしてる。
そのせいなのか、心做しか息が苦しい。
考える間もなく涙が溢れた。
体を寝かせて、布団をかぶって、一人で泣いた。
ここに居るよ、って言ってくれたきぃくん。
ずっと隣に居てくれたきぃくん。
・・・わたしがもうすぐ死ぬから?
だから・・・怖いから、もう会いたくないの?
そんなわけない。
きぃくんは、そんな理由で人から離れたりしない。
窓から差し込む太陽の光が、嫌に憎たらしく思えた。