君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
この身体が、普通の身体だったら。
わたしの人生が、みんなと同じように未来あるものだったら。
何かが変わっていたのかな。
そんなことばかり考えてしまう自分が、どうしようもなく嫌になる。
一歩踏み出す度に切れる息はラクにはならないし、鉛のように重たい足は軽くはならない。
この恐ろしく冷たい風も、どんなに歩いたってわたしから離れてくれることはない。
「あえないなんて、いわないで・・・」
わたしを一人にしないで。
きぃくんがくれたものを、思い出だけにはしたくないんだよ。
わたしはもう少し、頑張れるから。
きぃくんが望むなら、強くだってなれるから。
必死になって追い掛けて、縋り付くのは、カッコ悪いことかもしれないけれど。
わたし、まだ、なにも返せてない。
人は怖くないんだよ、って。
誰かと居ると、楽しいでしょ?って。
人間は、あたたかい・・・って。
わたしを必要としてくれる人がそばに居るって教えてくれたのは、彼なんだ。
名前を呼んで、優しく微笑む彼の表情を思い出して、
わたしは足をはやめた。