君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
互いの存在
( 優人 side )
《凜が居なくなった》
鳴り続ける電話を無視し、メールとなって送られてきた文を見た瞬間、心臓が止まりそうになった。
・・・ "凜が居なくなった" ?
情けなく一人泣きながら、意を決してメールを打ったあと、それに返信は来なかった。
見てないのかな。
悲しませてしまったかな。
・・・なんて、俺は呑気なことばかり考えて、相変わらず外からの声はスルー。
全てのやる気を失っている中で、何度もインターフォンが鳴った夕方。
妃菜たちが来たのか、とか。
またあの男が来たのか、とか。
それなら出なくて良い、俺の中に踏み込んで来るな、俺に関わらないで・・・って、完全に此処を閉ざした。
そんな後の、このメール。
《今からみんなでそっち行くから》
返事をする暇もなく呆気にとられていると、立て続けに送られて来たそれ。
・・・凜。
俺は、君を掻き乱していたの?
・・・もうわかんねえ。
自分が何をしたかったのか。
この先何がしたいのか。
分かるのは、重くのしかかってきた責任。
焦り、不安。
凜が消える必要なんか、どこにも無い。
言葉に出来ない感情が押し寄せている中で、俺はただ無心に、三人が来るのを待っていた。