君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


凜。


凜。


凜、ごめん、・・・無事で居て。


色んな感情で頭の中が壊れそうな中で、俺が言えることは一つしか無かった。



「・・・俺、凜にもう会えないって・・・メールした」

「・・・はぁ・・・?」


目頭が熱くなる。

とっくに冷たくなった手の震えが増す。


三人が俺を見て、口を噤んだ。

ハッキリとは見えていないけれど、妃菜が俺を睨んでいるのが分かる。



「なんでそんなこと言ったの」


・・・聞き慣れた、落ち着いている蒼の声。

彼は決して俺を責めない。


・・・父親が来た。


俺は医者になれって言われて、凜と、みんなと過ごしていることを悟られて、お前に幸せなんか遠いんだって諭された。


こんなところで、泣きたくなんかない。


情けない姿を晒すわけにはいかない。


頭では分かっているのに、身体は言うことを聞いてくれない。


必死に堪えていた涙が


一筋零れた。

< 147 / 220 >

この作品をシェア

pagetop