君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう

・・・

・・・・・

・・・・・・・


人が、倒れてる。


人が、そこに。俺が下ってきた階段の下に。


倒れて・・・というか、辛うじて座ってるのか。


階段の一番下で、力なく壁にもたれてる女の子。・・・最近昂生の中で話題の、転校生。



他人なんかどうでもいい。

人間に興味ない。関心もない。


そんなスタンスの俺は、もちろんいつも通りそこを素通りするつもりだった。


・・・だった、けど・・・。



『痛い、助けて、お母さんっ・・・』


・・・昔の自分が頭を過ぎった。


まだ幼稚園児の俺が階段から落ちて泣き喚いてた時の母親の目。

あいつは結局俺を助けてくれなかった。


目の前のこの人は別に泣き喚いてもないし、何ならただここで休憩してるだけもしれないけど


・・・助けなきゃ、って、俺の中の何かが悟った。
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