君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
吹き抜ける冷たい風に体を震わせながら歩く。
昂生はこの寒さなんか感じていないかのような暑苦しさ・・・相変わらずだな。
「本当に来るか心配だったから迎えに来たんじゃん!感謝して!」
「いや、頼んでないし」
「迎えなんて行かなくても優くんは来るって、俺は止めたよ」
「ありがとう蒼」
集合地点の曲がり角まで一緒に歩いたことなんてほぼ無いから、これこそ違和感。
・・・だけどこの感じ、少しだけ好きかもしれない。
落ち着く空間、俺の居場所のひとつ。
「・・・パン要る?」
「え、要る!優しいね優人!珍しく!」
「返せや」
こんな冬の寒さも、こいつらと一緒だったら少しはマシかな、なんて。
横でうるさい声、うるさい動きで騒いでる昂生も、それを見ても微動だにせず寒がる蒼も
・・・俺は好き。
「あ、優くん、学校着いたら多分死ぬほど課題溜まってるから頑張れ」
「・・・え」
・・・忘れていた、授業のこと。
どんくらい置いていかれたかな。追いつけるか?
色んな意味で課題は山積みだよ。
「優人頭良いから大丈夫でしょ。凜ちゃんとこでやれば?」
「・・・そーする」