君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「・・・って感じでね、優人は今日も絶好調だったわけ!」
「いや、今の話のどのへんが?」
妙に新鮮みのある一日は終わり、今の俺の隣には凜。
その横では、昂生が俺の一日を熱く語っている。
「きぃくんは・・・相変わらずって、ことだよね?」
「そーそー!流石凜ちゃん、分かってる!」
それ分かってんのか?・・・微妙だけど。
ベッドを起こして、俺と同じようにノートにペンを走らせる凜は、ずっと酸素マスクを付けたままだ。
これをしないと息が苦しいらしい。
・・・もう12月。今年が終わろうとしている。
そして、俺たちの高校生活もあと三ヶ月。
「凜の体が弱ってる、結果が良くない」・・・って話す 妃菜の泣きそうな表情を思い出した。
「・・・きぃくん?」
「ん、何?」
「また、難しいこと、考えてるかなぁ・・・って」
心配そうな瞳で俺を見つめる凜に手を伸ばし、優しく撫でた。
・・・大丈夫、凜はまだ生きてる。
その時がいつなのか、考えたくはないけれど・・・
嫌でも考えてしまう。
「・・・ツラいなぁこのポジション、俺も彼女欲しい」
「いや、彼女じゃないし」
「彼女じゃないし〜」
「ムカつく」
俺たちは付き合わない。
同じ想いであれば、それで良い。
一緒に笑ってくれる凜を見て、表情が緩んだ。