君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


蒼と妃菜は、謎に二人で売店に出掛けたまま戻ってこない。


蒼が来るのは珍しいことだけど、この冬休みでようやく受験が終えるって喜んでた。

妃菜と昂生の合否発表ももうすぐらしい。



「・・・きぃくーん、これの意味、おしえて」

「ん?」



黙々と英語の課題を進める凜。

この子は英語が苦手で、英語に対しての嫌悪がものすごい(笑)


だから声のトーンも低く、同時にテンションも低め。


教えて、って差し出されたノートに書かれているのは《unity》の文字。



「ゆ・・・ないてぃ?」

「ゆにてぃ」

「・・・ゆないてぃのほうが、言いやすい」



納得いかないといった表情で不満げに呟く凜が可愛い。


読み方に不満を抱いたところで変わんないんだよ、それだけは(笑)



「意味は、結束・・・団結」

「へぇ〜・・・わたし、この単語、好きかも」


"ゆないてぃ"

って言うもんだから、ユニティね、って俺はすかさず突っ込んだ。


それだけで、目の前の彼女は嬉しそうに笑った。

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