君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう



12月15日、雨のち晴れ。


朝は家から出たくなくなるくらいの大雨で、俺は一瞬登校を躊躇った。



だけど・・・今日は大事な日。


謎に気合を入れていつもより早く起きたし、朝食は家で食べたし、待ち合わせ場所には一番に着いた。


・・・二人には軽く心配される羽目に。



「妃菜ぁ!誕生日おめでとうー!」

「うるさっ、嬉しいけどうるさっ、ありがとうね!!」

「やけくそじゃん(笑)」



学校で妃菜の姿を見つければ、すぐさま駆け寄り大声で祝福の言葉を放った昂生。


若干迷惑そうに顔をしかめた妃菜も、笑顔で彼をあしらっている。



「おめでとう、妃菜」

「おめでとう」


昂生に続いて、俺たち。


温度差がすごいけど、そんなことは気にしない。

朝からこんなハイテンション、俺には無理。笑


せっかく祝ってあげたのに、妃菜は俺を見てにやけながら言う。


「どうせ私は二番目だろ」

「・・・まぁ」

「知ってた。ありがとう」



朝起きてすぐ、文章でおめでとうを伝えた相手は凜。

・・・妃菜は朝会えるから良いか、って思いながら俺は家を出ました。



今日は、凜と妃菜の18歳の誕生日。


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