君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
そんな俺は、今すごく緊張している。
学校が終わり、凜の様子を見に病院に顔を出し、そんな後の夜。
父親に連絡を入れたのは、今朝。
話があると簡潔なメッセージで、自宅に呼び出した。
引き出しにしまっていたパンフレットを取り出して、その時を待つ。
・・・ガチャッ・・・
ドアの開く音で、心臓がより大きな音を立てた。
・・・俺は、俺の夢を、自分の口で伝えるんだ。
貴方の言いなりにはならないと、しっかり伝えなければ。
「話ってなんだ?優人」
相変わらずの佇まいで俺の前に現れた父親。
俺の手元のパンフレットと俺自身を交互に見つめる。
「・・・これ、返す」
やや震える手でそれを差し出せば、目の前の彼は大きくため息をついた。