君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「・・・・・勝手にしろ」
少しの沈黙のあと、手元のパンフレットを受け取った彼は、小さく呟いて俺に背を向けた。
言いたいことは山ほどある。
聞きたいことも、ぶつけたいこともたくさんあるけど・・・
今の未熟な俺に、それを全部言う資格は無い。
だから、俺が夢を叶えて、立派な大人になれるまで、それは心に秘めておくことにしよう。
「・・・また連絡する」
そんな俺の声が聞こえたのか聞こえなかったのかは分からないけど、彼はそのまま家を出ていった。
俺は父さんみたいに医者にはならないけれど
それと同じくらい、努力はするから。
進む道は違くても、父さんが誰かに自慢できるくらいには立派になりたい。
それもまた、俺の夢のひとつだ。