君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう



冬休みに入ってから、凜の病院に行く頻度は少し減った。


凜の体調が優れなくて面会出来ない日もあれば、面接の練習やら受験の対策やらで学校に呼び出される日もある。



面会に行く日は大体四人一緒だけど、今日は一人で会いに来た。


妃菜に少しだけ二人の時間がほしいって頼み込んで。



________ガラガラガラッ・・・



そっとドアを開けて、中に入る。


カーテンと、窓がほんの少し開いていて、冷たい風が吹いていた。



「凜、久しぶり」

「・・・へへ、ひさしぶり、かなぁ?」



ベッドに寝たままの彼女のそばに歩み寄れば、少しだけくぐもった声が聞こえた。


来る度に見せてくれる笑顔が変わることはないけれど、状態は確実に悪くなっていると思う。



「久しぶりじゃない?」

「三日前、あった・・・」

「・・・確かに」



・・・よくよく考えれば、確かに三日前ここに来た。


俺にとって、凜に会わない時間はすごく長いように感じるから、ほぼ毎日会っていた頃に比べれば久しぶり感はすごく強い。


< 180 / 220 >

この作品をシェア

pagetop