君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


このあたたかい体が冷たくなるのを

優しい声が聞こえなくなるのを

笑顔が見れなくなるのを、俺は・・・


絶望することなく受け止めて、先に進めるのだろうか。



正直なところ、そこに全く自信は無い。



「あのね・・・昨日は絵、かいたの」



"そこに置いたから、見て" ・・・って、蒼が贈った写真立てが飾られている棚の引き出しを指さした凜。


そこを開ければ、彼女の使っていた見慣れたノートがあって・・・



「それじゃ、ない」



・・・その下に、やや大きめの画用紙を見つけた。



「・・・それ、きぃくん」

「・・・・・俺?」

「うん・・・未来の、きぃくん」



・・・久しぶりに見た、紙面いっぱいのカラフルな絵。


凜が人の絵を描いたのは初めてで、そこに居るのは俺らしくて。



その絵を見た瞬間、どこからか込み上げてくる涙を抑えることは出来なかった。



慌て出す凜を強く、優しく抱きしめる。



「・・・凜、好きだよ・・・っ」

「・・・はずかし、けど・・・うれしい」



凜。好きだよ。


好きなんて言葉じゃ、足りないかもしれないけど。



・・・俺、頑張るね。


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