君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「凜、今日は雨で・・・めっちゃ濡れた」
「折りたたみだから悪いんだよ!ね、凜ちゃん」
「いや、予報で折りたたみ傘を・・・って言われたから」
「ちょっと静かにして、うるさいから!」
いつの間にか、今年が終わった。
新年を迎えて、今はもう・・・1月・・・何日かな。
わたしの視界に映るのは、わいわい騒いでいる大好きな四人。
最近は、蒼くんが受験に受かった報告を受けた。
おめでとう、って、たった五文字の言葉を伝えられたことに喜んだ。
ここ数日で何度か起こりそうになった発作をギリギリで回避して、わたしはこうしてここに居る。
今はもう起き上がることはおろか、手を上げることも出来ない。
辛うじて動く指で、繋がれた手を握り返すのが限界。
「・・・・・ん、」
「・・・ん、なんか・・・寂しくなった?」
"きぃくん なでて" って 彼の目を見て伝えれば、
そのあたたかい手がわたしを撫でてくれる。
それが嬉しくてわたしが笑えば
「テレパシー?テレパシーなの?」
・・・って、昂くんが騒ぎ出す。
この光景も、慣れたなぁ・・・笑