君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
泣きながら笑う妃菜を見ながら、わたしは一度目を閉じた。
・・・頭の中がすごくうるさい。
妃菜の泣き声、呼び掛けの声、慌ただしい看護師さん達の声。先生の声。
それらの片隅で聞こえる心電図の音に、わたしは安堵する。
あぁ・・・わたしの心臓、まだ動いてる、って。
「凜っ・・・」
ガラガラッ・・・って混ざった雑音に、大好きな彼の声。
・・・きぃくんだ、きぃくん。
会いたかったよ。
ずっと、待ってたんだから・・・。
「・・・目開けて、凜」
反対の手に、彼の温もりを感じた。
流石、きぃくん・・・テレパシー、出来るもんね。
わたしの声を、読み取ってくれる。
繋がれた手を握り返そうと必死にもがくけど、うまく動いてくれない。
わたしが葛藤しているうちに、いつもの四人が揃った。