君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「凜っっ・・・」
君を失うのは怖い・・・怖いし、考えられないけれど、これは避けられない運命。
俺は、俺は・・・
前に進まなければいけないんだ。
「・・・っ凜、好きだよ。大好き、愛してる・・・っ」
「ぅっ・・・りん・・・っ、わたしも・・・大好き・・・一緒に生まれてくれて・・・ありがとっ・・・」
みんなの泣き声、嗚咽が聞こえる中で、握られていた手が離れた。
凜の指は不規則に動き、何かを言おうとしている気がして、俺は指を解き手のひらを向けた。
その上で、凜の指がゆっくり、ゆっくり動く。
「・・・・・・お」
「や・・・」
「す・・・」
「・・・・・・み」
『 きぃくん おやすみ 』
・・・頭の中で、凜の声が聞こえた。
溢れ出す涙は止まらなくて、歪む視界の中で、同じように泣きながら凜が笑った。
俺の手のひらで、その指は力なく止まり
ピーーーーーーーーーーーーーーーー
同時に、心電図の不規則な音が止んだ。