君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「・・・にしてもずいぶん立派なもん建てたよねぇ、優人は」
「まぁ・・・狭いし小さいけど」
「その方が落ち着くし良いじゃん?俺は好きだけど〜」
子どもたちを膝に乗せてくつろぐ昂生。
辺りを見回せば、壁に散らばるのは凜が今まで描いてきたたくさんの絵。
何やら立派な額縁に入れて飾ってあるのは、彼女が描いてくれた "未来の俺" 。
今、本当に・・・この絵のようになってるよ、凜。
ただ、この絵からは想像出来ない苦難や困難を10年かけて乗り越えた結果、だけど。
あの後、凜が亡くなったあと、俺は寂しさを埋めるように死ぬ気で勉学に励んだ。
大学に進み、将来に向けて学んでいるあいだは、不思議と寂しくなかった。
凜がそばに居るような気がして、むしろ嬉しくて。
今の俺があるのは、間違いなく君のおかげ。