君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
そんな俺のこの仕事は、私生活とほぼ同化しているため、もはや仕事と呼べるのかどうかは怪しい。
「・・・ごめん昂生、迎えの準備しないといけないから、また」
「また新しい子来るのかー!楽しみだ!じゃあまた学校でね〜みんな〜」
「ばいばぁーい!!」
腕もげるぞって勢いで手をブンブン振る子どもたちを部屋に入れ、他の仕事仲間に任せ、俺は手元の資料に目を落とす。
"推定" 四歳の女の子。
生年月日は不明。
名前の欄は未記入。
・・・戸籍登録、無し。
到着の連絡が来て、俺はここのドアを開ける。
「紀井くん、また・・・よろしくお願いします」
「ありがとうございます・・・」
お世話になっている役所の人に抱えられてやってきたその少女は、俺を睨みつけている。
下ろされた瞬間、バタバタと中に入り同期に捕まった。