君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
白くて冷たい転校生
「・・・暑いな、春のくせに」
家を出てすぐ、目を開けられないほどに眩しい光が俺を襲った。
まだ少し冷たい風は、その強い光とは絶妙に合わない。
今日から高校三年生。
だからといって特に何かが変わるわけでも無く、相変わらず気怠い朝を迎えたまま、学校に向かう。
三年・・・待ち受けているのは受験、か。
「おはよう優くん」
「あー・・・おはよう、蒼」
「今日から三年とか信じられないな。受験とか特に。優くんは進学だっけ」
「・・・まぁ、一応」
「そっか。俺も進学だろうな、めんどくさいけど」
いつも通り、そこの曲がり角で幼なじみの結城蒼(あおい)と合流して、学校までの道のりを歩く。
将来のこととか、自分のことであっても・・・
特に興味はない。