君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
風の音が聴こえる。
あぁ・・・その風に乗ってどこかに行きたい。
目の前には長瀬、その隣には白石。横には昂生と蒼。
・・・なんでこんなことになったんだろう。
「へぇー、二人は双子なんだ。似てないね」
「よく言われる。そっちは幼なじみなんだね、あんただけ異質だけど」
「異質って何!?」
長瀬と昂生の声しか聞こえない。誰か助けて。
なんの集いだよ、これ。
なんて思ってても言えない俺は、ただただ静かに窓の外を眺めていた。
「あんた名前は?あとそっちの賢そうなの」
「俺は昂生。で、これが蒼だよ」
賢そうなの(笑)
長瀬のどこまでも突っ込むよ感は暴走してるし、それにしっかり応えていく昂生。
仲良くなれそうだね、二人。なんて勝手に思いながらも会話は聞いている俺。
「あのさ、私の凜を狙わないでね?昂生くん」
「私の凜」
「ごめん優くん、さっきからその復唱癖何、気になりすぎて無視出来ない」
「え。ごめん、無意識」
「・・・あはっ」
・・・白石が、笑った。