君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「おはよう」を毎日言えるようになって、ほんの少し、会話が増えた。
わたしの席はきぃくんより前だから、学校で顔を合わせることはほとんどないけど・・・
きぃくんを見たとき、お話したいな・・・って思うことが増えた。
妃菜の勢いに乗せられて、きぃくんとそのお友達、そしてわたしと妃菜の五人は仲良しになった。
「凜、それ、優人のノート?」
「うん、そうだよ。あのね、ここに絵が描いてあるの!」
「絵?・・・うわ、可愛い(笑)」
「わたしが頼んだら描いてくれるかなぁ」
「描いてくれるんじゃない?めんどくさい、って言いそうだけど」
「あはっ、たしかにー」
きぃくんに借りたノートの所々に、可愛い動物の絵が描いてあるのをわたしは発見してしまった。
妃菜はきぃくんのことを「何にも興味無さそうだし、冷たい」って言うけれど、わたしはそうは思わない。
すっごく優しくて、暖かい人って知ってるもん。
恋なんてした事がないし、これからする予定もないけど、きぃくんは少しだけ・・・特別な人。