君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


帰り道は、誰かの予定がある日以外はいつも五人一緒。


わたしと妃菜は歩いて10分少しのところから来てるけど、三人はもう少し遠い。

だからいつも家の前でバイバイなんだけど、この日は違う。



「きぃくん、少し付き合ってほしいところある・・・」

「俺?」

「うん。・・・だめ?」


実はお絵描きするのに新しいペンが欲しくて、近くにある文房具屋さんに行きたかった。


きぃくんが絵を描くときに使っているペンが好きで、良いのを教えてもらおうと思って誘ったんだけど・・・行って、くれるかな。


「・・・良いけど、妃菜は?・・・こいつらはうるさいから置いていった方が良いと思うけど」

「私はやる事あるから、優人、凜を任せた」

「俺らは帰るかー、二人寂しくクレープ屋でも行く?あお!」

「行かない。甘いの嫌いなの知ってるじゃん」

「あらー」



良いって!一緒に行ってくれるって!

妃菜には「気を付けて」って念入りに言われてるけど、今日は調子が良いから大丈夫。


嬉しくて喜んでいたら、その横で二人が騒ぎ始めた(笑)

このわちゃわちゃ感・・・好きだなぁ。


あとどれくらい・・・この空気を、感じられるかな。

嫌でも考えてしまうようになった、自分の未来のこと。


わたしの誕生日は12月。


それが近づいてくるのが・・・18歳になるのが・・・今更ながら、少しだけ、怖い。

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