君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
俺はいつだってそうだから。
何かに夢中になったり、一生懸命になったり、そんな経験は今までに一度もない。
必死になることがかっこ悪いとか、そんな風に思っているわけではなくて・・・ただ、やる気が出ないだけ。
平凡に生きて、平凡に過ごせて、平凡に死んでいけたら、それ以上に望むことなんて何も無い。
「あ、優人!あお!おはよー!」
「うわ、やかましいの来た」
「新学期にもなったのに相変わらずうるさいね」
「え、ひど。先にクラス表見たんだけど!同じクラスだったからこんなハイなんだけど!」
「あー、へぇ、そうなんだ?」
「優人・・・新学期になったんだからもっと感情豊かになったり」
「しない」
「だよね〜」
学校に着いてすぐ、うるさい変なのに絡まれた。
カバンについた大量のストラップを揺らして、俺たちに駆け寄り飛び付いてくるこの男。
櫻井昂生(こうき)。
伝わるだろうか、このうるささ。騒がしさ。俺はもう辛い。
俺たちは中学から一緒で、常に三人でいる仲間・・・友達、である。
・・・そんなのに絡まれながら、俺は黙って新しい教室に向かった。