君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
わたしは病気の関係であまり速く歩けないから、人並み以上に歩くのが遅い。
そんなわたしに、みんなも、きぃくんも、何も言わずに合わせてくれる。
やっぱり、優しい。
「あのね、新しいペンが欲しいの。きぃくんのオススメ教えてくれる?」
「ペンか。絵描く用?」
「うんっ」
「んー・・・俺が使ってるの、オススメ」
「じゃあそれ教えて!」
「うん、分かった」
わたしはきぃくんの描く絵が大好き。
昔は「暇つぶしに描いてる」って言ってたけど、最近はわたしが学校を休むと、次に来たときに「凜にあげようと思って」って渡してくれるのが本当に嬉しい。
主に動物の絵を描いてくれるんだけど、わたしはきぃくんみたいに上手に描けない。
「一緒のペン使ったら、きぃくんみたいな絵描けるかな?」
「俺みたいな絵描きたいの?」
「うん、上手だもん」
「・・・俺は凜の絵が好きだけど。可愛いし」
・・・あ、また、嬉しいこと言ってくれた。
いつもはあんまり喋らないきぃくんが、時々くれる嬉しい言葉。
死ぬまでにたくさん絵を描いて、きぃくんにあげよう。
そしたら、たくさん・・・返ってくるかな?(笑)