君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


わたしは病気の関係であまり速く歩けないから、人並み以上に歩くのが遅い。

そんなわたしに、みんなも、きぃくんも、何も言わずに合わせてくれる。

やっぱり、優しい。


「あのね、新しいペンが欲しいの。きぃくんのオススメ教えてくれる?」

「ペンか。絵描く用?」

「うんっ」

「んー・・・俺が使ってるの、オススメ」

「じゃあそれ教えて!」

「うん、分かった」


わたしはきぃくんの描く絵が大好き。

昔は「暇つぶしに描いてる」って言ってたけど、最近はわたしが学校を休むと、次に来たときに「凜にあげようと思って」って渡してくれるのが本当に嬉しい。


主に動物の絵を描いてくれるんだけど、わたしはきぃくんみたいに上手に描けない。



「一緒のペン使ったら、きぃくんみたいな絵描けるかな?」

「俺みたいな絵描きたいの?」

「うん、上手だもん」

「・・・俺は凜の絵が好きだけど。可愛いし」


・・・あ、また、嬉しいこと言ってくれた。

いつもはあんまり喋らないきぃくんが、時々くれる嬉しい言葉。

死ぬまでにたくさん絵を描いて、きぃくんにあげよう。

そしたら、たくさん・・・返ってくるかな?(笑)
< 40 / 220 >

この作品をシェア

pagetop