君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


それからすぐに文房具屋さんに着いて、わたしはペンが売っているコーナーに一直線。


あ、この色欲しい。

これも可愛い・・・って見てたら、きぃくんが居ない。


・・・どこ行っちゃったのかな。



「凜」


不安に思ってたら、横から呼ばれて・・・振り返ると、少し大きめの色ペンセットを持ったきぃくんが立っていた。


「これ、俺が使ってるやつ」

「わぁ・・・色がきれい!可愛いっ」

「オススメ」

「これにする!ありがとうきぃくんっ」

「これで良いの?」

「うん。きぃくんと一緒がいいもん」



素直にそう答えたら、きぃくんは「そっか」って呟いて、笑った。


・・・笑った・・・!少しレアだ。


きぃくんのオススメのペンセットは、濃い色から薄い色までのマーカーと色鉛筆が入ってる。

これで絵が描けるんだよ。すごく楽しみ。



「そんな嬉しい?」

「うん、早くお絵描きしたい!」

「・・・出来たら見せて」

「いちばんに見せるっ」


何を描こうかなぁ。

きぃくんが好きなうさぎ・・・描こうかな。うさぎの日常シリーズ!


買ったばかりのペンセットを胸に抱えて、きぃくんに送ってもらいながら、わたしは家に帰った。



< 41 / 220 >

この作品をシェア

pagetop