君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


病院に留まったままのわたしを置いていくかのように時は過ぎ、気が付けばもう夏休み。


一日中一緒に居てくれる妃菜は、わたしの病室でも受験勉強をするようになった。


妃菜は、みんなは、高校を卒業して別々の道に進み始めるんだ。

将来に向かって、頑張ってるんだ。


それなのにわたしは、こんなところでぼーっとして・・・

・・・なんか、情けないね。



「凜、明日退院出来るって!嬉しいね、良かった・・・」


そんなお知らせが来たのが、お昼。

退院かぁ・・・どうせなら、まだ学校があるうちに退院したかったな。


夏休みにお家に帰っても、特にやることないんだもん。

・・・あ。


「じゃあ・・・きぃくん、呼んでもいい?」

「優人・・・を家に呼ぶの?大丈夫?疲れない?」

「・・・会いたいんだもん」

「そっか。連絡しとくから、明日に備えてちゃんと寝な」

「うん、ありがとう」



きぃくんに会いたい。

昂くんにも蒼くんにも、もちろん会いたいけど・・・いちばん最初に、きぃくんの顔が見たい。


元気かな。笑ってるかな。

きぃくんは・・・進学するのかな?


また、一緒にお絵描きがしたいな。


早く明日になりますように。


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