君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


このことを誰かに話すときが来るだなんて思ってなかったから、少しだけ緊張してる。


・・・わたしのことを知りたいって言ってくれたきぃくん。

こんなお話して、一人で悩んだり・・・しないかな。


色々思うところはあったけど、きぃくんが教えてって、そう言うから。


わたしは心に覚悟を決めて、静かに言葉を吐いた。



「・・・あのね。知ってると思うんだけど、わたし、生まれつき心臓が悪いの」

「うん」

「それが・・・けっこう、重くてね。18歳まで生きられるか分からない、って、お医者さんに言われてる」

「・・・え」



きぃくんの目が、信じられない、と言った様子で開かれた。


・・・あの時と、同じだ。

初めて会ったときと一緒。その瞳が、不安そうに揺れている。


やっぱり、言わない方が良かったかな・・・。


「・・・良いよ。凜のペースで良い」

「・・・ん、ありがとう。・・・手、握ってても・・・いい?」

「・・・うん」



きぃくんの手を握ったら、ものすごく・・・冷たかった。


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