君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
だからこそ、残り少しの時間を笑って過ごしていたい。
人が怖くて、全てに怯えて世界に踏み込めなかったわたしを導いてくれたのは、あの日のきぃくんの暖かさだよ。
「手術とか・・・方法は何か、無いの?」
きぃくんの声、震えてる。
握った手がどんどん冷えていっている気がしたから、今度はわたしがぎゅっと握った。
「うーん・・・手術、たくさんしたから・・・わたしの心臓、もう耐えられないんだって。点滴とかで発作を和らげることはできるけど・・・」
『次に心臓が止まったら、そのまま死んじゃうと思う』
その一言に、きぃくんは「そうなんだ」って、一言呟いて、俯いた。
・・・ごめんね。
お友達が死ぬなんて、ビックリするよね。
18歳、もう少しだもん。
・・・あと少しだけ・・・頑張ってね、わたしの心臓。
わがままだけど、みんなと卒業だけは・・・したいから。
「きぃくん。あと少しだけど、よろしくね」
『わたしはきぃくんのこと大好きだよ』って・・・それだけ伝えて、わたしは笑った。