君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


・・・凜の、壮絶な過去。

親に捨てられただけでこんな人間に出来上がった俺なんかより、・・・比べ物にならないほど、凜は辛い思いをしていた。

そんな中で、俺に頼ってくれた彼女に・・・この先応えられるのか、正直不安もある。

俺なんかと一緒に過ごしても、良い人生を・・・送れないんじゃないかって、一瞬、思った。


『わたしはきぃくんのこと大好きだよ』


・・・だけど、そう言って笑顔を向けてくれた凜に、俺は精一杯応えてあげなければいけない。

この子の傍に居たい。

俺に出来ることがあるのなら・・・してあげたい。


凜の小さなこの手を、離したくはないと思った。

< 57 / 220 >

この作品をシェア

pagetop