君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「えー、新学期になったということで、今日から最高学年の三年生は、色んな行事が最後となり・・・」
毎学期恒例の始業式。めんどくさい。眠い。
三年になって気が緩んでるのか、休み明けでだらけモードが抜けてないのか、特に三年生のゾーンは騒がしい。
周りを見渡して、あー、こいつ隣のクラスなんだ。とか、そんなどうでも良いことしか考えてない俺のこの時間。
切実に寝たい。
「教室に戻ってホームルームやるから大人しく座ってろよー」
始業式が終わって、担任の声を聞きながらダラダラ戻る。
俺の席は二列目の一番後ろ。
因むと俺の名前・・・フルネームで、紀井優人(ゆうと)。
特にこれといった特徴もなく、当たり障りの無い名前。
・・・間違っても優しい人、なんかでは無いけれど。
昂生は他のクラスに行ってるし、蒼は本を読んでるし、担任が来るまで俺は寝るか。と思ったけど。
・・・なんでかは分からない。俺の斜め前で伏せている女の子に目がいった。