君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「ねぇ!あの店行こうよ。なんかアクセサリー売ってるって!」
そんな声で我に返った。
勝手に感傷に浸っているところに現れたのは、もちろん昂生たち三人。
「え、お前アクセサリー好きなの」
「うん。特にキレイなやつ。カバンにジャラジャラ付いてんの見てない?」
「見てない。なんか色々意外だよね」
昂生と妃菜のボケとツッコミは、もはや見慣れた。
何なら見飽きた。
・・・馬鹿みたい。
妃菜はきっと、俺の何倍も何十倍もツラいはずなのに。
凜のためにしてやれることを、妃菜はきっと分かっている。
それでいて、前を向いている。
『妃菜は看護師さんになるんだよ』
・・・その夢は、凜のため?
凜を見てきて、凜を支えたくて、看護師に・・・なるのかな。
妃菜の夢が叶うその頃に凜が存在している確率は、一体どれくらいなんだろう。
・・・そんなことばかり考えてしまう俺は、やっぱりダメな奴なんだと思う。