君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「優くんはさ、凜ちゃんのこと、好きなの」
「・・・は?何言ってんの、さっきから」
「別に聞きたいこと聞いてるだけだけど」
蒼はいつだって俺の心の核心に触れてくる。
・・・俺が壊れかけたとき、それを引っ張っていてくれたのは蒼だった。
俺の心に土足で踏み込んでは来ない。俺が困らないように、少しずつ入ってくるから、それを拒むことは出来ないんだ。
そんな蒼と、何があっても変わることなく接してくれる昂生。
そして凜、妃菜。
この四人が居るから、今の俺は俺で居られるんだと思う。
「・・・凜のことは、好きだよ。友達だから。でも・・・それだけじゃない」
「うん」
「・・・ごめん、それだけで・・・よくわかんない」
凜が好きだから付き合おうとか、・・・そういう意味の好きじゃない。
だけど、ただ単純に好きでもない。
この気持ちは、よく分からない。
「そっか。まぁ何でも良いけど、一人で考えるのだけは辞めなよ」
「・・・うん、分かってる」
俺は、何を思ってここに居るんだろう。
何を目標に、凜の傍に居るんだろう。
何がしたくて、手を伸ばすんだろう。
その全部に理由なんか無いことに、まだ中途半端な今の俺は気付けなかった。