君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
五分も歩かず姿を現した小さな店。・・・というか、小屋。
中には確かにアクセサリーやキーホルダーが大量にあって、それを眺めて騒いでいるのは昂生と凜。
ネックレスやらブレスレットやらで盛り上がっている。
「ねぇねぇ・・・」
「ん?」
「これ、おそろい欲しい。みんなでおそろい」
ひとしきり騒いだ凜が俺たちに差し出したのは、星とイルカが付いたストラップ。
どこにでもありそうな物だけど、その星の中には海の砂が入っている。
凜がお揃いを欲しがる・・・そしてもちろん、俺たちの中にそれを断る人なんか居ない。
「何色にする?あ、名前掘れるって!入れる?」
「凜ちゃん、俺何色っぽい?選んで!」
「えー、昂くんはね・・・オレンジ。太陽みたいだもん」
「ねぇ聞いた?俺太陽だって!オレンジにしよ」
迷うことなくオレンジ色のストラップを手に取った昂生。
昂生は太陽・・・か。
それなら俺は闇だろうな。闇の中に隠れていたいよ。
俺に色なんか・・・付かないよ。