君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう

「暖かいけど、落ち着いてるよ。・・・あとはね、なんか・・・きれいなものを全部合わせたら、この色になる気がする」

「・・・きれいなもの」

「うん。きぃくんは、すっごく綺麗」


・・・そんなわけ、無いのに。

そんなに自信満々に言わないで。

いや、ありえない。って・・・凜が相手じゃなければ、言えるのに。

俺は凜に弱い。

凜の前では、うまく自己否定が出来ない。

何かを語るときにキラキラ輝くこの瞳を前にしたら、何もかもを受け入れなきゃいけないと思ってしまう。


「優人が紫か・・・意外と似合うかも。ミステリーな感じとか!」

「ミステリーめっちゃ分かる。凜は何色?」

「きぃくん、わたし・・・何色に見える?」


ミステリーはめっちゃ分かる?いや、分からん。

そんな一人ツッコミの中、今度は俺が凜に訊かれた。


凜の色。


ふわふわしてて、可愛らしいからピンク。

穏やかで、かつ誠実だから・・・青。

考えれば何色にだって当てはまる気がするけど、俺に凜の色は見えない。

だって、一番キレイだから。
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