君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう

一分 一秒



( 凜 side )


楽しかった夏はあっという間に終わり、今はもう9月。

残暑が恨めしい中で、わたしたちを待ち受けているのは文化祭。

わたしのクラスは迷路をやるの。

文化祭の話し合いも、準備期間も、休み休みであんまり来れなかったけど・・・当日を迎えられて、ほっとしてる。


【俺、文化祭行ったことない】


昨日の夜、メールでそんなことを送ってきたきぃくんには心底驚いた。

行事はめんどくさいから、基本的にサボってるんだって・・・。

もしかしたら今年も来ないのかな・・・?って思って聞いてみたら

【凜が来るなら行く】

って返ってきて、そんな返事が嬉しくて、わたしは今日をすごく楽しみにしていた。



「へへ・・・きぃくん、おはよう」

「・・・何笑ってんの?おはよう(笑)」

「初めての文化祭だね。一緒だね!楽しみ?」

「んー、まぁまぁ」


朝、いつもと同じように気怠そうなきぃくんが、ここに居てくれて嬉しかった。

クラスの人や晃くんたちには『優人が文化祭に居る!』って騒がれてたけど。

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