君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
わたしは教室に並ぶカラフルなアイスは買えないし、たぴおか?っていうのも飲めないし、お化け屋敷も入れない。
食べもの屋さんなんかもってのほか。
それでも、雰囲気だけでじゅうぶん楽しい。
「凜ちゃん、写真撮ろ!」
「あ、俺も!」
妃菜たちと歩いてたら、他クラスのお友達から写真を撮ろうって声をかけられる。
普段はあまり話さない子や、正直関わったかもよく覚えていない男の子とも結構たくさん撮ったけど、文化祭ってこんな感じなんだ。
みんながそこらじゅうでカメラを構えてる。
文化祭・・・大事な思い出のひとつだもんね。
「白石さんってさー、紀井って人と付き合ってるんじゃないの?大丈夫?写真撮っちゃって」
お友達カップルと写真を撮ってるときに言われた一言。
・・・なんで?
わたし、きぃくんと付き合ってるよう見えるのかな。
もしそうだったら・・・なんだか申し訳ない。
「わたしは誰とも付き合ってないよ」
誰とも付き合う気もないよ。
だって、その人を置いていっちゃうんだもん。
恋愛なら・・・来世でするよ。
相手はよっぽど驚いたのか、「えっ、マジか!頑張れ!!」って行って、離れていった。
・・・うん・・・一体何を頑張るんだろう。