君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう

「凜?」

「・・・あ・・・うん?なに?」


射的で盛り上がってる妃菜と晃くんを見てたら、きぃくんに声をかけられた。

少しだけ、不安そうな表情。


「なんかぼーっとしてるから。疲れた?体調悪い?」

「ううん、元気だよ。妃菜へたくそだなぁと思って(笑)」

「・・・うん、そっか」


納得・・・してなさそうだけど、それ以上は何も聞いてこなかった。

わたしが倒れないように、見てくれてるのかな。


動物園のように騒がしい校内。

大都会の中心のように人が集まる教室。

綺麗な装飾。

いろんな人の、楽しそうな笑い声。


その全部が最後のものだと思うと、寂しくなった。

この時間は、もう二度とまわってこない。


自分の居ないこの場所を想像した。

そこには変わらず妃菜が居て、晃くんが居て、蒼くんがいて、・・・きぃくんが居た。


・・・泣きそうになった。


自分のいない未来を想像しては嘆き、苦しみ、それが避けられない運命だと受け入れて、諦めたはずなのに。

わたしはまだ、ここにいたい。みんなと一緒に生きていたい。



・・・死にたく、ない。


そんな図々しい気持ちが、また、・・・ここに芽生えた。
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