君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
「優くんっ・・・凜ちゃん?」
「ごめん。蒼は水買ってきて。昂生は妃菜を呼んできて」
「わかった!」
走ってやってきた二人は、わたしときぃくんを見て、恐らく驚いて言葉を失った。
だけどそれに触れている暇もなく、きぃくんに与えられた使命を果たすべく、また走っていって・・・。
あとで、ちゃんと話さないと・・・不安に、させちゃったよね。
「・・・凜、薬持ってる?」
「ある・・・っ」
「うん。それ飲んだら、保健室行こ」
もう今や効果も薄い常備薬は、いつだって胸ポケットに入っている。
気休め程度かもしれないけど、軽い発作のときはいつもこれを飲むんだ。
それで、治まってくれたら・・・いいけど。
17歳になって、発作が起きる回数が増えたのは、紛れもない事実。
それでもまだこうして足掻けるのは、わたしの心臓が『生きたい』って思ってるからだよ・・・って、主治医の先生は言ってくれた。
『凜ちゃん自身は、生きたい?』っていう問いに、わたしは答えられなかった。
仮にわたしが生きたくても、どうせ生きられないんだから・・・って、ずっと思っていた。
生きるって、難しい。
生きたいか?と聞かれたら、『はい』とは答えられないかもしれない。
ただ、今のわたしはきっと・・・『死にたくない』って答えるだろう。