君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
( 優人 side )
文化祭の日、あのあと駆け付けた妃菜に速攻で救急車を呼ばれた凜は、結局そのまま病院に搬送されて行った。
残された俺たちには文化祭の片付けや閉会式があって、しっかり話は出来ないままその日が終わった。
妃菜から『急を要する状態では無い』って聞かされてから、俺は二人を連れて凜のところへ出向いた。
「・・・なぁ、ここで、本当に合ってんの?」
「・・・うん、多分」
「『心臓外科』って・・・」
「循環器内科じゃないの?そっち?・・・これって一緒のフロアなの?」
「どっちも心臓だろ」
「なるほど、・・・え?」
かなりデカい病院のそのフロアに、凜は居た。
蒼は何かを悟って途端に大人しくなったし、昂生でさえよく分かっていないだろうけど、何かに頭を悩ませている。
俺だって、入院中の凜に会うのは初めてで。
冷静で居られることは、得意分野だから・・・ぶれないんだろうけど、内心どうかは分からない。
今だって、不安と緊張が入り交じった気持ち悪い状態に襲われている。