身長差30cm、年の差12才、この恋あり
気まずくて、恥ずかしくて、今直ぐここから逃げ出したい気持ちになった。



「店長、今日は帰りますか。」



急に現れた圭吾君に驚き、聖夜から離れた。



「おまえ鼻水出てるぞ。不細工な顔だな。俺の上着に鼻水つけやがって。」



「泣いてなんかいないのに、聖夜が泣いてるとか言うからいけないんだよ。」


「おまえが潤んだ目で見るから、俺はそう言うのに弱いんだよ。おまえは男にいつも上目遣いして、その気にさせてんだろ。」



「別に上目遣いなんてしてない。あんたが背高いから、見上げるしかないじゃない。」



「レジ教えてもボーとして聞いてなかっただろうが。どうせ男の事でも考えてたんじゃねぇの。」



「何で聖夜にそこまで言われなきゃいけないの。彼氏なんかいないし、悪かったわね、30で男もいないなんて笑っちゃうよね。」



「俺は別に、そんな事言っちゃいねぇよ。」



「30にもなって働いた事がないのが可笑しい。頑張ろうとしてるのが面白い訳。私にだって好きな人ぐらいいるわよ。」



そう言い捨て、鞄を持ち自分の車が停めてある駐車場まで走った。



なんで、こんな惨めな思いしないといけないの。



父さん、もう無理だから本当にごめんなさい。


いつまでも、駄目な娘でごめん。



結局、又、こうして逃げるんだ。


逃げるのには慣れてるし、もう何もかもぐだぐだで考えたくもない。


悔しくて堪らなかった。


12才も年下の男子にバカにされて、泣かされて本当に情けない。



泣きながら走り続ける。




















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