scarlet


一年ぶりに聖夜と会った日から
早くも二ヶ月が過ぎようとしていて

あの日から毎日聖夜から連絡が来るようになった

一年間行ってなかった倉庫にも時々
顔を出したりして。


私たちの関係は曖昧なまま時間が過ぎた

今日も変わらずいるのは倉庫で

「もういい加減、気持ち伝えてあげなよ〜」


「龍、そんな簡単にいかないの」

隣に座っているのは
名前はすごく男らしいのに、私よりも
遥かに可愛らしい龍(りゅう)

幹部の一人で一番話しやすくて
みんなから可愛がられる弟的な存在で
ちょっとやんちゃだけど可愛いから
龍のことはなんでもみんな許しちゃう


「何をためらってるの〜?
そんなに、総長のこと信用できない?」


「彼が私を必要としてくれてるのは
分かるの。だけど私じゃないとダメって
保証がない。」


龍になら、素直に言えるのに


「さっさとくっついてくれないと〜
魁星の中でもまだ美桜のこと引きずってる子
結構いるんだよ〜?
総長がモタモタしてるんなら俺が
美桜のこと奪っちゃうよ?」


「龍、意地悪ばっか言わないで」


可愛い顔して何人の女の子引っ掛けてきたの


「かーわいーー」


「ちょっと龍〜〜?
そんなことしてると総長に
怒られても知らねえよ?」


龍が私の頬をツンツンしてると
魁星で一番女絡みが激しいであろう
楓(かえで)帰ってきて。

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