scarlet

「何か言いたいことあるなら
目見て言えよ、ほら」


「やだ、別にないもん」


「美桜」


全く折れない私に呆れたのか
更に低くなる龍の声


「言わなきゃわかんねえ
子供じゃねえんだから。」


言いたいことは自分の口から言え、と
そう言って私の顔を覗き込む

まるで本当に、私が子供のように
接してくる龍に更にイライラが募って


「子供扱いしないでっ!」


そう言って龍の胸を叩く。
子供っぽい自分が嫌になるけど
どうしても龍の前だとわがままが過ぎてしまう。


「何が気に入らないのお前」


そう言ってタバコをくわえはじめた龍


相当、しつこかったと思う
龍は確かに甘えたで可愛いし
普段は私も散々甘やかしてあげるけど


頼り甲斐があって優しい龍には
一番私も甘えてると思うしきっと聖夜の前
以上に私はわがままだと思う


「なんで龍が怒るの」


「言いたいことはっきり言わないお前に
イライラすんの。」


「言えないもん龍には。
なんでそんな怒るの」


叱られた子供みたいに泣き出してしまう私


「わがまますぎないー?」

口調が少し優しくなった龍が頭を撫でようとしてくれたのに身を引いてしまう


「なんかお前、一年前よりわがまま度
増してるぞ。」

ため息を吐くのが呆れられたサインだと
わかって更に不安になる


「もう、いい」


「なにが」

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