scarlet

「もういいから私のことなんか放っておいて!
龍と、絶交するから」


「…あっそ、分かったいいよ
その代わり自分から言ったんだからね。
絶交するってことはもう会っても
無視するってことだからね?」


「っ、うん」


じゃあ気をつけて帰りなよって言った龍は私の顔を一切見ずに携帯を弄りながら帰って行った


絶交だなんて、小学生じゃないんだからって
自分でもわかってるのに涙が止まらない

そのまま走って家に着いた頃には
もうすっかり日が暮れていて


「おかえりなさい
ご飯は?」


と、声を掛けてきたお母さんを無視して
ベッドに飛び込んだ

何かを察したお母さんはそのあと部屋に来ることもなくて気が済むまで泣いて、目が覚めた頃には朝の5時半になっていて。

化粧も落とさず寝てしまっていたからお風呂に入ろうと部屋を出てリビングに行くと


「お母さん、」

昨日の夜ご飯とあっためて食べてねと書かれた
メモが置かれていた

レンジであっためてご飯を食べたあと
お風呂に入って、上がった頃には
お母さんが起きていた


「お母さんおはよう
ご飯ありがとう」

「あら、おはよう
昨日帰ってきた時は少し心配したけど
ちゃんと寝たみたいね。よかった」

「心配かけてごめん、ね」

「ふふっ、美桜ぐらいの年頃の子は
いろんなことがあるわよね懐かしい

だけど、大切にしなきゃダメよ〜?
若いからできることだってあるし若い時にしか感じられない気持ちみたいなのってあるからね」

と言って微笑むお母さん
私がすることには基本的に口出ししないけれど
こうやって助言はしてくれるから
本当に尊敬している


早く起きたおかげでお母さんといつもより
色んな話をして少し早めに登校した

< 19 / 35 >

この作品をシェア

pagetop