scarlet

「前も言ったけど、自分を一番に
優先してね。じゃないと殴るから」


そう言うとみんな笑って、


「大丈夫、自分のこと考えながら
うちのお姫様のこと守るから」


そう言って龍が私の頭を撫でる


「もう、龍ったら
調子いいことばっかり言って……」


「そう言いながら姫、顔赤いんじゃないの〜?」


「楓、、!」


「じゃあ俺はそろそろ出るから
こいつのこと、誰かお願いね


美桜、ちゃんとお利口にしとくんだよ」


「子供じゃないんだからわかってるよ
聖夜も、気を付けて」


そう言うとクスッと笑って
部屋を出ていった


「お前はほんっとに強がりだな
もっと駄々こねたら聖夜はお前の傍から
離れたりしねえのに。」


「なんのこと?」


「隠せてねえんだよ!!
ほんとは寂しいくせに」


紫苑は私の事少し美化して
見ているような気がする


「違うのよ、紫苑」


「なにが」


「’’寂しい,,んじゃないのよ
私は聖夜が自分を放って
他の子のとこに行くのが’’面白くない,,だけよ。

駄々をこねてまで一緒に居てもらったって
私は何も満たされないし尚更虚しいだけ」

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