scarlet

「こんな言葉聞きたくないかもしれないけど
ほんとにこんな私よりも楓を幸せに
してくれる人が必ず居ると思うの。だから

その時はその子を、世界一幸せにしてあげてね」



何様だ、って感じだけど

その頃私が幸せでなきゃ、楓を

選ばなかったこと後悔しちゃうだろうけど


でも楓はきっと私が出会ってきた中で


誰よりも人を幸せにする力を持ってる人だと


私は思ってる、分かってるから。



「向き合わなきゃ、ね
楓を見習わないと」


「何かあったら 慰めてやるよ〜」


なんて笑い合いながら、気付けばもう
うちの前に着いていて。


「ほんとにこれから危なくなるから
勝手に出歩くなよ、マジで」


「そうね、気をつける」


「気をつける、じゃなくて
約束な〜?姫はほんっとに危なっかしいから」


「ふふっ、ほら早く行って
気を付けてね」


「ありがとな〜
じゃあ、おやすみ」


「こちらこそありがとう

おやすみ」


そう言って、楓を見送って家に入る


「美桜、帰ってきたのー?
お母さん帰ってくるとき連絡してねって
送ったんだけど見てない?」


「あ、ごめん見てなかった」


「さっき聖夜君が家に来てねー」


「え?」


用事があるって出て行ったのに
家に来たのか聖夜


「美桜が一人で出歩くことがないように
なんかあったら俺に連絡してくれって」


「そんなこと言いにわざわざウチ来たんだ、、」


「何があったか深くは分からないけど
美桜も女の子なんだからほんとに
1人で出歩くのは控えなきゃねー」


危ない理由はそれだけじゃないんだけど。

まさか家にまで来るとは思わなかった


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